あなたのタイプと傾向は?人間関係・伝え方の悩みに特効薬『アサーション』3つの基本
あなたが仕事や人間関係を
もっと良くしたいと感じているならば、
『アサーション』を
実践するのとしないのでは、
大きな違いになるでしょう。
アサーションは
「コミュニケーションスキル」として
よく知られていますが、
あくまでそれは側面にすぎません。
学ぶにつれて
「自分」を知ることができる、
奥の深さがあります。
あなたが
人と良い関係性を築きたいのであれば、
そのコミュニケーションの
土台になるでしょう。
あるいは言いたいことを言えずに
我慢してしまっているとしても、
アサーションを身につければ、
自信となって支えてくれることでしょう。
いち早く取り入れて、もっと
あなた本来のパフォーマンス発揮に
力を向けていきませんか。
あなたは、自分の考えや感情を
もっと素直に表現していいのです。
1.アサーションとは?
日本では主に企業でのメンタルヘルス対策や、コミュニケーションのトレーニングにと広まっている、アサーション。
その意味やアサーションが生まれた背景を見ていきましょう。
1-1.アサーション・アサーティブコミュニケーションとは?
『アサーション』とは、自分も相手も尊重する自己主張のことです。
そして、
- 誰もが平等に主張する権利があること
- お互いを尊重しあえる「伝え方」をすること
このアサーションの考えを実現するための具体的な方法が、『アサーティブコミュニケーション』です。
もしあなたが、今こうした悩みをお持ちであるなら、それを改善していく具体的な方法としてあなたを助けることになるでしょう。
- 自分の主張を押し通して反発を招いたこと
- ただの指示のつもりが「パワハラ」と捉えられたこと
- 言いたいことを飲み込んでストレスを抱えたこと
- 立場が上の人をどう説得しようかと悩んだこと
- 感情的になって、人にそれをぶつけてしまったこと
コミュニケーションは毎日行うもの。
ですから小さくても、こんな風にストレスや悩みを抱えたままでいると、その積み重ねが大きな負荷となって、あなた本来のパフォーマンスを落としてしまうことになりかねません。
そして冒頭にもお伝えしたように、
アサーションとは「コミュニケーションスキル」の一面だけではありません。
あなたが、人に対してどのように向き合っているのか。
その根本を見つめて、より素晴らしい「人との関わり方」「自分との関わり方」を学ぶものです。
そこで振り返ってみましょう。
あなたの日頃の関わり方はどのようなものでしょうか。
例えば、
いつも相手に対して高圧的な言い方をしてしまう人は・・・
言い方がどうこうという以前に、その相手に対して自分がどんな見られ方、存在、立ち位置でありたいか、という根本的な姿勢がコミュニケーションとして表れている可能性があります。
反対に、
いつも自分の言いたいことは抑えて、相手に従ってしまう人は・・・
自分に対しての自信のなさや、厳しい言い方をすれば、その物事に対して影響を与える責任から逃れたいという考えが潜んでいる可能性があります。
自分や人に対しての極端な姿勢というのは、続けていればやがて大きなトラブル、メンタルの不調、不満となっていくことが想像できます。
WIN-WINの人との関わり方を実現させながら、自分の対人能力を成長させていけるところにも、アサーションの魅力があります。
1-2.アサーションが生まれた背景
日本にアサーション、アサーショントレーニングを紹介した臨床心理士の平木典子さんによると、
アサーションとは、1950年代半ばに北米で生まれたもの。
人間関係が苦手な人、引っ込み思案でコミュニケーションが下手な人を対象としたカウンセリングの方法・訓練法として開発されたそうです。(アサーション入門 平木典子著 講談社現代新書)
そうした人たち(自己主張が苦手な人)へのトレーニング・研究の中で、
彼らは単に自己主張が苦手なのではなく、彼らの自己主張を押さえつけてしまう関わりをする人たち(自己主張が強い人)の存在が関連していることがわかってきたそうです。
今の世の中でいえば、例えば職場で上の立場である上司から無理な指示を受けたとしても、立場として弱者である人は、声を押し殺してしまうことがある。そんな状態です。
自己主張が苦手な人たちがいるのではなく、アサーションとは、強者・弱者を生み出してしまう関わり方に目を向けたものなのです。
アサーションはその後、人種差別などで不当な弱者となっている人たちの人権を守るために広がり、さらに教育や医療現場を始め、企業などでもトレーニングを導入されるようになっていきます。
1-3.3つの自己主張のタイプ
アサーションを学ぶ上で、まず知っておきたいのが自己表現のタイプ(傾向・スタイル)です。
アメリカの心理学者ウォルピィによると、人間関係での自己表現には大きく3つのタイプがあるとされています。
① アグレッシブ(攻撃的/主張型)
自分のことをまず考え、時には他者を踏みにじることになる自己表現をします
② ノンアグレッシブ(消極的/非主張型)
自分より他者を優先し、自分は後回しにする自己表現をします
③ アサーティブ
自分のことをまず考えますが、他者のことも配慮するバランスのとれた自己表現をします
誰もが、状況や相手によってこの1、2、3のどれかの傾向が出るものですが、どの傾向が出やすいかは人によって異なります。
平木典子さんは、著書の中でこの3つについて、ドラえもんのキャラクターに例えて説明されています。
- ①アグレッシブタイプ=ジャイアン
- ②ノンアグレッシブタイプ=のび太くん
- ③アサーティブタイプ=しずかちゃん
このように考えると、わかりやすいだけでなく、
それぞれのタイプにも、人間らしさや親しみを持って見ることができますよね。
私たちも、まずは日頃どのように人と関わっているか、コミュニケーションがどのような傾向になっているのかを知ること。
そして、アグレッシブでなく、ノンアグレッシブでもなく、アサーティブな関わりを目指しませんか。
1-4.アサーション実践のメリット
あらゆる人間関係や、コミュニケーションのシーンで、WIN-WINの関係性を築くこと
建設的なコミュニケーションを可能にすること
これがアサーションを実践するメリットです。
なぜならアサーションとは、前述の通り
お互いが『自分も相手も尊重する』ために開発された、対人関係の考え方や手法だからです。
社会に出ると、人間関係って本当に複雑だなということがわかってきます。
同じ組織の人であっても、年代も役割も違いますし、利害関係もあったりします。
ただ、その関係性によって考えを歪めてしまったり、言うべきことを飲み込んでしまうことや、
また立場が上だからという理由で、主張を押し付けていいということでもありません。
アサーションを取り入れることで、自分も相手も尊重しつつ、建設的なコミュニケーションができれば、よりスムーズに物事が進んでいくのを実感できるでしょう。
特に部下を持つ方など、人を動かす立場にある方には必須です。
アサーションを実践することが、部下との信頼関係や、モチベーションアップに直結するはずです。
2.アサーションが活用できるシーン
アサーションはすべての人との関わりの中で活かすことができます。
私たちは、1人で何役もこなしながら、複雑な関係性や様々な立場の中で日々過ごしています。
そして、1つの物事に対してであっても、100人いれば100通りの考え、主張があります。
そこをいかに尊重しあいながら、WIN-WINに持っていくかというのは至難の技で、
だからこそ、アサーションの考え、アサーティブなコミュニケーションが活きるのです。
2-1.プライベートでのアサーション
例えばプライベートの人間関係では、こんなシーンに悩む方はたくさんいます。
- 義理の両親の都合に振り回されてしまう
- 友達からの誘いをなかなか断れない
- 子どもへの躾をどうすればいいかわからず叱れない。あるいは子どもを怒鳴りつけてしまう
- ママ友グループでの関係性で精神的に気が滅入ってしまう
- 感情的にものを言ってくる相手に対して、ついこちらも感情的になってしまう
プライベートでは、近い関係だからこそ、言いたくてもいいづらいことがたくさんあります。
そして反対に、親しいからとつい甘えて配慮を欠いてしまうこともあります。
親しい間柄だからこそ、お互いにわだかまりやストレスを抱えず尊重しあえるかどうかが、長い信頼関係の秘訣になっていきます。
2-2.ビジネスシーンでのアサーション
ここ数年、職場でのメンタルヘルス対策の一環で、「アサーティブなコミュニケーション」を推進する企業も増えています。
- 部署やプロジェクトチームをまとめる必要があるが、うまく動いてもらえない
- 部下に対して、意見をどんどん出してもらいたいけれど萎縮させてしまう
- クライアントであっても、無理な要求にはしっかり断り、建設的に提案したい
- 交渉ごとで、双方納得いくように運びたい
- 会議・ミーティングで自分の主張に耳を傾けてもらいたい
ビジネスシーンでは、年齢が上の部下を持つことになったり、取引先から無理を言われても断れないシーンなど、目には見えない影響力や複雑さがあります。
こちらの言い分をどう通すか?という勝ち負けの視点だけでは、ビジネスはうまく進みません。
関わる人すべてを尊重しながら、コンセンサスをとっていく手腕が問われるでしょう。
さらに多様化が進む今は、アサーティブな関わりができなければ、苦しい思いをする時代になってきました。
WIN-WINの実現を可能にしてくれる、アサーティブなコミュニケーションは必須です。
3.あなたのタイプ(傾向)を把握する
アサーションを実現するには、まずは現状を知ることです。
あなたがどのような自己主張、コミュニケーションを行うかを日頃のご自身と照らし合わせてチェックしてみましょう。
3-1.あなたのタイプを知るチェックリスト
以下のチェックリストA・Bの質問に、当てはまるものは○を、当てはまらないものは×をつけてみましょう。
<チェックリストA> | |
① 正しいと思ったら、自分の主張を通す方だ | ○・× |
② 人の間違いを指摘するのは当然のことだと思う | ○・× |
③ 自分の思い通りにいかないと感情的になることがある | ○・× |
④ 人に弱点を知られたくないと思う | ○・× |
⑤ 安心して人に任せることが難しいと感じる | ○・× |
⑥ 実際以上に強がってしまうところがある | ○・× |
⑦ 人の力を借りることは、自分の能力のなさを知らしめることだ | ○・× |
<チェックリストB> | |
① 相手と意見が違っても、言い出すのは躊躇しがちである | ○・× |
② 意見を求められたり、指摘をされると黙ってしまうことがある | ○・× |
③ 自分から率先して動くより、指示を受ける方が気楽だ | ○・× |
④ 上司や目上の人に対しては萎縮してしまう | ○・× |
⑤ つい自分より相手を優先しがちである | ○・× |
⑥ 理不尽なことを言われても反論できない | ○・× |
⑦ 自分に自信がない | ○・× |
チェックリストAとBどちらに○が多くついたでしょうか。
このチェックリストでは、以下の傾向を知ることができます。
Aに○が多かった場合→ アグレッシブが出やすい傾向
Bに○が多かった場合→ ノンアグレッシブが出やすい傾向
A・Bどちらかに偏って○が多ければ、それだけはっきりした傾向が出ているということです。
どちらにも○がつかない方、○が少ない方は「アサーティブ」に人と関わることができている、ということになります。
3-2.自分のタイプからわかること
アサーションは「自分も相手も尊重する」ことが基本です。
表面に現れるコミュニケーションや自己主張の傾向には、あなたが相手との関係性をどう捉えているかだけでなく、
自分が自分自身をどのように捉えているか?という、対人関係を生み出す根本の部分も見えてきます。
2つの自己表現は正反対のものですが、その根底をたどって行くと、
相手だけでなく「自分」も尊重できないという、不安や自分に対する自信のなさなどが潜んでいるかもしれないのです。
チェックリストの結果から、もしもアグレッシブ、ノンアグレッシブどちらかに偏りが出るようなら、
そこから少し自分を掘り下げてみましょう。
3-2-1.アグレッシブ(攻撃的/主張型)タイプが出やすい人
アグレッシブタイプが強く出るなら、以下のような対人関係の構図がある場合があります。
・自分はOK、相手はOKでない
つまり、相手よりも自分の立場が上である、優位である、優れているといった関係性を、
自分の中に無自覚に作っている可能性があります。
根底には、自分に対する自信のなさから、自分を守るために攻撃的な自己主張をしてしまう場合もあります。
そのような構図が根本にある場合、このタイプの自己主張・コミュニケーションは以下のようなものになりがちです。
- ✓ 強がり
- ✓ 尊大
- ✓ 自分本位(主張を貫く)
- ✓ 支配的
- ✓ 自分に従わせる
アグレッシブの傾向が強い人が気をつけたいこと!
アグレッシブな関わり方というのは、あなたがそんなつもりはなくても、相手にはそう映ってしまう場合があります。
例えば、あなたが部下や子どもを持つ立場のときなどです。
立場が上であるというだけで、相手にしてみればすでに強い影響力を持ちます。
企業でのパワハラがいい例ですよね。
部下がパワハラだと感じたかどうかであって、あなたの「そんなつもりではなかった」は通用しないのです。
相手がノンアグレッシブである場合には、なおさら目に見えぬ力となって萎縮させてしまう可能性があるので要注意です。
ですから、あなたが多くの人に立場的に影響を持つ場合には、
常にアサーティブであるよう心がける必要があるでしょう。
3-2-2.ノンアグレッシブ(消極的/非主張型)タイプが出やすい人
ノンアグレッシブタイプが強く出るなら、以下のような対人関係の構図がある場合があります。
・自分はOKでない、あなたはOK
つまり、自分に(または自分の意見)に自信がなかったり、
自分で決められない、萎縮してしまうなど、自分を相手より低くみてしまっている可能性があります。
そのような対人関係の構図が根本にある場合、このタイプの自己主張・コミュニケーションは以下のようなものになりがちです。
- ✓ 引っ込み思案
- ✓ 卑屈
- ✓ 依存的
- ✓ 他人本位・相手任せ
- ✓ 服従的
ノンアグレッシブの傾向が強い人が気をつけたいこと!
ノンアグレッシブの関わりを続けていると、
本当は自分の主張があるのに抑え込んでしまう、言いたくても言えない、わかってもらいたい欲求を抱えたままの状態になります。
いずれ、そうした鬱屈した不満や欲求が爆発してしまう可能性が・・・。
そうなると、不満の矛先は2つです。
1つは相手に対して、「なぜわかってくれないのだ」という怒りになってぶつかる。
もう1つは、自分の中で精神的な負荷となってメンタルダウンしてしまう。
ノンアグレッシブタイプでいることは、決して優しさや協調性ではありません。
自分の主張を伝えないことは、相手との間に信頼関係が築けないということです。
アサーティブな関わりをトレーニングしていきましょう。
4.アサーションを実践する
自分のタイプがわかったら、早速アサーションの実践を学んでいきましょう。
アサーションを学び、自然とアサーティブな関わりができるようになるためには、「基本に忠実」であることです。
ここでは基本になる考え方と、すぐ使える実践の方法をご紹介します。
4-1.基本①「誠実/率直/対等/自己責任」4つの軸で考える
アサーティブな自己主張をするための基本の考え方です。
アサーションの4つの柱とも言われ、この考え方を軸にすることが、アサーションを実践する第一歩です。
1 誠実
自分の感情、気持ちに素直(正直)であることです。
何らかの出来事に対して、自分の中に感情が湧くことは当然で、悪いことではありません。
その感情を素直に認めること、もちろん相手の感情に対しても同じく認めましょう。
2 率直
自分の感情を認めて、率直に伝えることです。
感情をぶつけるのでなく、「〜〜のように思っている」「〜〜だと感じている」など、率直に今感じている感情を言葉にすることです。
同じく相手に対しても、相手が感情を伝えることを尊重します。
3 対等
誰もが平等に主張する権利を持っているということです。
立場の違いで自己主張を歪めたり、言うべきことを飲み込むのでもなく、あるいは主張を押し付けて良いものではありません。
目の前にいる人は、1人の1として同じく尊重します。
4 自己責任
アサーションは、自己主張を通すものではありません。
自分の主張がどのように相手に伝わったとしても、その伝わった結果に対しての責任は自分にあります。
全ての関わりの中で起こることは、自分次第だと捉え、例え自分の主張を相手が受け入れられなかったとしても、その相手の反応や気持ちを尊重することです。
4-2.基本② 「Iメッセージ」で伝える
Iメッセージとは、主語を「自分」にして相手へのメッセージを伝える方法です。
その反対に、「相手」を主語にして伝えるのはYouメッセージと言います。
特に部下や後輩がいる方、人に対して影響力のある立場にある人は、時には厳しい言葉を伝える必要もあるはずです。
そこではIメッセージの伝え方をぜひ取り入れることをおすすめします。
例えば、仕事の締め切りオーバーをしてしまった部下に対して、
「なぜあなたは締め切りが守れないの?」と伝えるのはYouメッセージ。
↓↓↓
「締め切りまでに終わらせる工夫ができると(私は)思うよ。」と伝えるのがIメッセージです。
Youメッセージで否定的なことを伝えると、
「相手に対して責められている感じ」を与えたり、
「相手を決めつけた」伝え方になりやすく、アグレッシブなコミュニケーションと言えます。
一方、Iメッセージで伝えると、あくまで
「私はこう思っている、こうして欲しい」という自分の考えを伝えることになります。
これはアサーティブなコミュニケーションの形です。
日常のビジネスシーンの会話から、YouメッセージをIメッセージで伝える例をみてみましょう。
(1) もっと他にいいアイディアはないの?
→あなたならもっと他にもいいアイディアが出せると(私は)思うよ。
(2) 仕事が遅い!
→仕事をスピードアップしてくれると(私も)助かるよ。
(3) どうして失敗してしまったの?
→失敗するなんて、何があったのかと心配になったよ。
Iメッセージを使うことのメリットは、あなたが部下に対して指示や指摘をするときなどにも発揮されます。
上記の(1)のように、部下に対して「もっといいアイディアはないの?」と伝えたとします。
部下にしてみれば「自分のアイディアはダメだった」という、自分に対する直接的なメッセージとして受け取ることになります。
一方で「もっといいアイディアが出せると思う」と伝えると、部下はあなたが期待してくれている、というあなたの考えや思いを受け取ることになります。
言葉ひとつ、言い方ひとつで相手が受け取る印象が180度変わったり、相手のモチベーションを左右することになる。
Iメッセージを使いこなしていきましょう!
4-3.基本③ 「DESC法」で伝える
DESC法は、アサーティブに伝えるための「型」です。
この型にしたがってコミュニケーションする準備や習慣をつけていくと、アサーティブな考え方も自然にできるようになります。
●DESC法
例えば、「アグレッシブなコミュニケーションスタイル」で、職場の先輩があなたに急な仕事を頼んできたとします。
しかしあなたは今たくさんの仕事を抱えていて、それをすぐにでも終わらせなければなりません。
そこであなたが、「ノンアグレッシブ」あるいは「アグレッシブ」なスタイルのコミュニケーションを行った場合のやり取りは、このようになる可能性があります。
先輩 | 急ぎの仕事を頼みたいんだ。明日の14時までに仕上げてもらいたい。 |
ノンアグレッシブ(消極的)スタイル | アグレッシブ(攻撃的)スタイル | |
あなた | はい・・・わかりました。 (本当は断りたいのに言えない) |
私の状況もわかってください! どうしていつも急に無理なことばかりおっしゃるんですか!? |
ノンアグレッシブ(消極的)な対応をして無理やり引き受けたとすれば、ストレスとして溜め込む上、無理の反動で他の仕事に支障がでるかもしれません。
アグレッシブ(攻撃的)な対応をしたとすれば、おそらく先輩との間でトラブルになるでしょうし、その急ぎの仕事に支障が出るかもしれません。
では、こんな時にアサーティブコミュニケーションの型である「DESC法」を使うと、どのようなコミュニケーションになるでしょうか。
先輩 | 急ぎの仕事を頼みたいんだ。明日の14時までに仕上げてもらいたい。 |
(1)事実を伝える (Describe) |
自分の状況や相手の状況、事実を伝えます。「具体的」に、「客観的」にがポイントです。 →「実は今、私もすぐに終わらせる必要のある仕事を複数抱えています。」 |
(2)表現する (Explain) |
自分の気持ちや相手の気持ちを尊重して伝えます。感情的にならず、正確に、「建設的」にがポイントです。 →「先輩の大変な状況もよくわかりますので、お手伝いしたいところなのですが。」 |
(3)提案・お願いをする (Specify) |
提案や相手へ望むことを具体的に伝えます。同意を得るためにも「丁寧」に、がポイントです。 →「最短で明日の午後からでしたら対応することができますが、それでもよろしいでしょうか。」 |
(4)代替案を示す・選択する・結果を示唆する (Choose) |
選択肢を示す。または相手の回答によって代替案を伝えます。あるいは提案の結果を示唆します。必ずしも自分の主張を通すことだけでなく、「柔軟」にがポイントです。 →「もしくは、他に対応できる者を探しましょうか。」 |
こちらの事情や気持ちも伝えながら、相手の事情も汲み取り、急な仕事に対応するための代替案を出す。(あるいは、提案による結果を伝える)
このような建設的なコミュニケーションが可能です。
4章の内容は、私たちの主催するコミュニケーション講座のカリキュラムから、抜粋してご紹介しました。
リーダーや管理職の方にとって、アサーションを始めとする、多様化コミュニケーション力は必須の能力です。
1対1の関係構築力、人を動かす影響力にもっと磨きをかけたい方は、各級講座の情報もご覧ください。
→ コミュニケーション能力認定講座
5.最後に・・・
『アサーション』とは、自分も相手も尊重する自己主張のことです。
ただし、アサーションとは自己主張の方法だけではありません。
それを深く理解して実践していくことで、
あなたが、人との関係性をどのように捉えているのかを知ることができるでしょう。
そして、その根本を見つめ、より素晴らしい「人との関わり方」「自分との関わり方」を学ぶ方法でもあります。
例えば、いつも相手に対して高圧的な言い方をしてしまう人。
あるいは、いつも自分の言いたいことは抑えて、相手に従ってしまう人。
こうした傾向のある人は、相手に対しての関わり方に偏りがあるだけでなく、自分を大切にできていないのかもしれません。
日頃のコミュニケーションのタイプ(傾向)を知り、アサーティブな関わり方を実現していきましょう。
部下や後輩を持つ方へ。
アサーティブコミュニケーションを始め、【人と関わる能力やスキル】は、
人を動かす立場の方、人に影響を与えるような責任ある立場の方にとって、部下や後輩のためにも学んでおきたい内容です。
人のモチベーションを高めたり、信頼を築き、人を動かすこと・・・。
管理職になると「人を巻き込むコミュニケーション能力の高さ」が、出世する人としない人を分ける、というデータもあるほど、高度なコミュニケーションは不可欠なものになっていきます。
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